十勝沖地震
その十勝沖地震、夕方の余震、震度6に襲われてしばらくして津波警報が発令された。近辺の住民はみんな避難した。太平洋に面した海辺の我が家だけは避難しなかった。
父の鶴の一声「うちは避難しなくてもいい」が避難しない理由だ。
当時の大家族の長である父の意見は絶対である。おかげで停電になった夜をろうそくで過ごす事になったのだが、小学生である私や中学生の叔父(父の弟)17才の叔母(父の妹)は楽しんでいたように記憶している。
いつ来るのかわからない津波に恐怖していたにもかかわらず叔母が「鍋やきうどんが食べたい」といきなり言い出し、タイミングと空気の読めない加減が絶妙だと感心したものだ。
さいわいにも津波は来なかった。
大人になってからなぜ父はあの時「避難しない」と決めたのか問うたところ。
大昔、父が子供のころ津波が来た時、うちの沖には巨大な岩があって津波をさえぎったそうな。その経験があって避難しなかったそうな。
めでたし