山菜
子供の頃暮らしていた北海道では春から夏にかけて山菜の宝庫であった。
ふきのとう、ワラビ、ぜんまい、キトビロ(本州では行者にんにくと呼ぶらしいが北では違う種類のような気がする)、夏には本州には見られないような大きなフキが大量に生える。
しかし、山歩きに慣れない人がワラビぜんまいキトビロは探してもなかなか見つけられないのだ。
珍しい山菜は口コミでこっそり古い地元民が教えてくれる。さらに地元民は誰に教わったかというと。
北海道の先住民(アイヌの人々)からこっそり教わったのだ。
山菜だけではなく魚のいる地域、暮らしに役立つ事は先住民族から親切に教わった歴史がある。
明治以降たくさんの日本人が開拓で北海道に移住して北海道の人口は爆発的に増えたのだが、それによって先住民は迷惑したはずだ。先住民族の人々は日本人とは違って「怒り」という感情がなく、長い年月を代々穏やかに暮らしていたはずである。
それが明治政府からの命令で自分たちが住んでいるところを「ここは日本という国になった、お前たちも日本人として生きろ」なんて言われ、どんどん日本人が移住してきて言われのない差別迫害を受けてきた悲しい歴史がある。
そんな私も開拓民の末裔である。
子供も頃はわからなかった事が今になっていろいろな事がわかってくる。
ああ、そんな歴史があったからあの頃は同級生の誰々が差別を受けていじめにあっていたのか~。
などと回想する。