東京タワーの独り言
わしが東京タワーでござります。
昭和33年、この地に立って以来東京の街、いやさ、関東一円を眺めて参りました。
わしに塗られたこの色はインターナショナルオレンジと申しまして、当時の人々はこのなんだかはっきりしない色を見て、塗ってる途中だと思っていたそうな。
どっこい、あの北野武さんの父上の菊次郎さんも塗装に参加されたのですぞ。
それはそうとして。昭和33年と言えばわしのほかにもう一人デビューしたのでござります。
それまでのプロ野球は今現在のような注目されるスポーツではなかったのでござる。
六大学の早慶戦の方が盛り上がっていたのでござる。
立教から巨人軍に入ってデビューした長嶋さんの人気はそれはそれは凄いものでした。
この長嶋人気がこれまでのプロ野球人気を作ったのでござります。
いささか話はそれてござるが、わしと長嶋さんは同時期にデビューした東京のスーパースターだと言いたいのでござりまする。