隣のGさん
どうやら隣の家のGさんがなくなったらしい。
ひとり暮らしでかなりのご高齢だった。
早朝3時頃から自分の家の周りを掃除する少し変わった人であった。
10年ほど前に同居してた息子が自殺してから近所の付き合いもまったくしなくなり、人と会わないように5時から掃除してたのを4時になり最後は3時になった。
夜中に死んだ息子の名前を呼びながら泣きながら掃除していたのを何度か見かけた時は切なかったものだ。
最近、見かけないな、と思っていたら昨日早朝、発見されたらしい。
いわゆる孤独死だ。
おそらく80才は過ぎていただろうから80年以上の長いGさんの歴史があっただろう。
戦後の混乱期に幼少であり、日本が落ち着いて高度成長の頃に仕事につき、結婚して息子が生まれ、育て、33才頃に死なれ、そのあとひっそり暮らしていた事を不謹慎ながら勝手に想像した。
人間の生とは、死とはなんだろう。
この2日間深く考えていた。
ご冥福を祈りたい。